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大増税が押し寄せる

高齢化により年金・医療・介護などの社会保障関係費が増え、借金が増えている。消費税を増税しなければ、今より2倍~3倍の税負担が現役世代に待っている。

2060年は高齢者は1.2倍に増え、現役世代は1/2に

内閣府-高齢化の状況(PDFは)によれば、2010年度は現役世代(20才以上~65才未満)2.5人で高齢者(65才以上)1人を支えている状態だ。しかし、2060年度は現役世代1.2人で高齢者1人を支える状態になる。

原因は少子高齢化。2060年度は2010年度に比べて、子ども(20才未満)と現役世代がそれぞれ約半分に減少。一方で、高齢者は1.2倍に増加する。
高齢化の推移と将来推計

2060年度は社会保障関係費が急激に増えているため、単純に計算すると、今より2倍~3倍の税負担が現役世代に待っている。

毎年1兆円ずつ社会保障費が増えていく

下のグラフは政府広報オンラインで掲載されている日本の項目別歳出グラフの推移である。

国の一般会計における主な経費ごとの歳出額推移
(出典:政府広報オンライン

高齢者の増加により、年金・医療・介護などの社会保障関係費が大きく伸びており、現在でも毎年1兆円ずつ社会保障関係費が増えている。

前述したように高齢者はまだまだ増えるため、社会保障関係費はさらに増え続ける。

真のムダは社会保障費だが、削れば選挙で負ける

よくテレビで「ムダの削減で財政は健全化できる」といっている政治家や評論家がいるが、真のムダは年金・医療・介護などの社会保障関係費にかけられている税金である。

将来、平成生まれは年金をもらえない可能性が高いで紹介したが、特に年金は多額の税金がかけられており、本当にムダを削減したければ年金制度を廃止することが一番の近道である。

年金の世代間格差
(出典:NAVER まとめ「 厚労省の年金マンガにツッコミ多数」)

しかし、かつてこの年金・医療・介護に対して高齢者の税負担を上げようとした政治家や政党は存在したが、ほとんど選挙で負けた。

一方、高齢者を優遇する政策は今でも続けている。例えば、2015年12月、安倍政権が1100万人以上の年金受給者に3万円を給付することを閣議決定したことが、典型的な事例である。

結局、高齢者を優遇する社会保障政策を実施した方が選挙に勝てるので、年金・医療・介護に大きなメスは入れられない。

経済成長により財政を健全化できた先進国はない

「経済成長で財政を健全化できる」と言っている政治家や評論家がいる。たしかに、戦後、経済成長で財政を健全化できた発展途上国はあるが、先進国には存在しない。

先進国では増税と社会保障の削減による緊縮財政でしか、財政の健全化は達成していないのだ。

消費税増税は避けられない

所得税や法人税を上げると、海外に逃亡する資産家や企業が増える。実際にフランスでは富裕層に対して所得税率を75パーセントに引き上げたが、海外逃亡する人が増えすぎて、所得税収入は所得税率引き上げ前より下がってしまった。

そもそも、(前述したが)2060年度には現役世代は約半分になるため、所得税ならび法人税の歳入は大幅な減収が見込まれる。

また、年間1兆円ずつ増大する社会保障関係費を補うには、現役世代だけでなく、今後増える高齢者や外国人観光客や労働者からも税金を徴収する必要がある。そのため、1パーセント上げるごとに税収が約2.5兆円増える消費税の増税は避けられない。

日本は財政破綻またはハイパーインフレへ

2013年度予算では国債発行額が42.8億円となり歳入の約半分が借金となり、国の借金は総額1000兆円をすでに突破している。

日本のように財政が健全化できず国債によって国内から多額の借金をしている国では財政破綻(デフォルト)またはハイパーインフレが起きており、いずれ日本でも財政破綻やハイパーインフレは避けられない。